事務所通信 平成21年7月号掲載
苦境を越えて
 先日、松下幸之助歴史館を訪れる機会に恵まれました。没後20年特別展のテーマとして掲げられていたのが標題です。最近、松下幸之助氏がもし、今生きていたらどういう経営判断をしたであろうかという議論が盛んになっています。もちろんそれは叶わぬことですが、過去の発言の中にヒントがあるのではないでしょうか。歴史館においても音声付きの動画やパネル等が展示されていましたがその中の一つを紹介します。

               みずからを慰安していないか

皆さんが担当している経営の仕事の面においてどれだけ飛躍をしているか。昨年に考えていたことと、そっくり考え方が変わったといえるかどうか。赤字を出すのが当然であるというように考えているようなことが、もしあるとするならば、それは決して許されない。赤字を出すにはそれなりの理由があると思う。けれどもみずから理由を発見して、みずからを慰安しているようなことでは、私はあかんと思う。松下電器の社員は、非常に勤勉であるということは、世間からもいわれている。けれども、今日は単なる勤勉だけではいけない。単なる勤勉だけでは事がすまされないほど難しい時代になっているということである。そこに新しいものを生み出し、その新しいものを育てて、そして画期的な方向を社会に向かってとっていかなければならない立場に、松下電器は立っているということ、また皆さんはその重要な一部員であるということを考えてやっていただきたい。
                        1958年2月 緊急経営状況報告会にて(63歳)

 いかがでしたでしょうか?
 また、時々掲載していきたいと思います。


                            所 長  須 田 幸 英
                               事務所通信 7月号掲載
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